もうなくなってしまったけれど『NNNきょうの出来事』のオープニングをつくった。
かなり好きなニュース番組だったので、依頼が来たときはかなりうれしかった。
そして考えたのは、他社も含め、ほとんど意味不明なCGばかりなのはなぜだろうか? ということ。 うれしいニュース、哀しいニュース、とんでもないこと、どんなニュースがオープニングの次に流れるか誰にもコントロールできない。そこで、どこもあたりさわりのない映像になっていた。
そこで、とってもうれしいことでも、陰惨な事件でも受け止めることのできる手法をみんなで手探り、いっしょに考えたのは、ADにタイクーングラフィックス、映像ディレクターの中村剛氏。 考えた方法は、ひとの営み、その痕跡を、さまざまに重ね合わせた実写。アニメやCGに逃げるんじゃなくて、実写で抽象度を高めること。
撮影は若木信吾氏がスクーピック16mmで。そして、番組内で使う音はすべてCornelius(コーネリアス小山田圭吾氏。 現場に出向くこと『LIVE(ライブ)』がコンセプトのニュ−スということで、番組のロゴ『出来事』に LIVEを埋め込んだのはADタイクーンの鈴木氏。折り重なったひとの営み、フィルムの質感、透明感があり、でも印象に残る音。毎日見ても飽きず、ちょっとした発見のあるオープニングとして、良い仕上がりだったと思います。