ブランドを成り立たせているのは『期待』だと思う。
だから、ブランディングは期待を醸成すること。
例えばコットンのTシャツ、
ハイブランドの数万円を超えるもの、
ドメブランドやセレクトショップの1万円、
スポーツブランドや量販店・スーパーの数千円、
そして1500円のUT(ユニクロ)。
この価格差に合理的な理由はありません。
だけど、それぞれの価格帯に、
成功しているブランドはたくさんあります。
買う人に、きちんと満足を提供しているのがブランドなんです。
ただ、『あいまいの底』が抜けてしまったいま、
価格を維持することができなくなったブランドもたくさん。
アパレルだけではなくて、クルマも家電も、
いまや食品だってブランドです。
勝負はショップに行ったり、ポチっとする前についている。
気持ちのなかに、どれだけブランドへの期待が育っているのか、
それだけが、価格を裏付けているのだから。
ブランディングを考えるとき、
個客に何を期待されているのか、探し、考える。
社内外にインタビューし、コトバやビジュアルにしてみて、考える。
そしてこれから、何を期待されたいか、織り込んでいく。
その結果がコンセプト、ビジョンとなって
社内で共有され拡がっていきます。
そのとき活躍するのがブランドブックやコンセプトブック。
宣伝、広報、ショップだけが外部に通じていた時代ではなく、
開発者もデザイナーも営業も、そしてボードメンバーも、
同じコトバをもったブランドは強くなります。
コンセプトがしっかりしていれば、
プレスリリースから広告まで一気通貫できる。
だから強いメッセージとなって拡散していきます。
毎シーズン、新鮮なアイテムを投入しながらも、
ばらけず薄まらず、ブランドの財産となっていく
イメージ戦略を探れます。
ブランディングは、皆の期待をいつもちょっと裏切り、超えることで
気持ちのなかにブランドを育てていく過程だと考えます。