好きじゃない人がサービスをつくると嫌われる。
ユーザーのことを考えて、便利にしようと設計したのに、実は琴線を逆撫でするようなサイトがあんがい多い。
例えば、honto.jpには、作家名を登録しておくと、新刊が出るとメールが届くサービスがある。便利なんだが、がっかりなことがあるので、要注意。
たとえば、こんなメールが届いたら、無条件に買ってしまうではないか!
そもそも、本屋でだって、積本や既読本を、再度買うというやばい病に侵されているのに、好きな作家の「新刊だ!」といってメールしてくれば、なんか見たことあるようなでも、発売開始日は直近だし、、、と買ってしまう。で、気づくのだ。「持ってた」
確かに電子書籍とタブがついてる、がしかし
たぶん悪意はないのだろう。が、少なくともこのサービスをつくっているのは本が好きじゃない人だ。この好きじゃない人がつくっている感じがばれることは、サービスのブランディングを考えると大きなマイナスだと思う。
結果、ポイントが高いときだけしか買わないという僕みたいな人が増える。日常的に使うには、検索がタコでいらいらするしね。
本が好きな人(気持ちがわかる人)ならば、「hontoにて発売(※)になりましたのでお知らせいたします。」などという意味不明な書き方はしない。好きな人ならば、電書も含めて、新刊なのかどうなのかわかるように明記するはず。
本好きは、書店では買おうとしている本の奥付を見る。なぜなら、ちゃんとした本の奥付には来歴が明記されている。初版がいつで、何回刷って、版をいつ改めて(文庫化とか、再編集したとかとか)。だから奥付をみれば、「単行本の時に読んでた!」という悲劇を避け、初版ならなんだかうれしいしね、安心して買うことができる。
このメールの場合、他のサイトをチェックしないと、電書化されただけなのか、それとも新刊なのか、不明。悪意をもって言えば、電書化されただけのものを、新刊のときと、ほぼ同じデザインでメールして、騙してでも売ろうとしているように見える。
もしかするとそこまで追い込まれているのかも?
このコミックの場合は、紙の新刊は10月21日、hontoでの電子版は12月20日、この時点ですでにアマゾンをはじめ古本屋の方が安くなっている。しかもKindle版なら同じ価格だけどポイントが30%、つまりhontoで買う意味は、30%以上のキャンペーンやってなければ、ない。人気のコミックだから古本の価格が高く維持されているはずなんだけど、この状態。
でこの戦略は、一度はうまくいくかもだけど、騙されたと感じると、結局信用しなくなるというか、好きじゃなくなるので、価格優位性がかなりないと使わなくなる、日本に税金を落とさないアマゾンはなるべく使いたくないのだが。本って、買う人と買わない人との差が大きいアイテムだと思われる。本を日常的に買う人から信用されないサービスは、自分で自分の首を占めているように見える。せっかくリアルな書店とネットの書店がいい感じに結びついた場なのに、もったいない。
好きな人の琴線を見つけることが、いっとう大事。
honto.jpに限らず、好きな人の琴線を逆撫でするようなサイトが多い。これはディレクターに編集者的な感覚が不足しているのだと思う。ちゃんとした編集者ならば、知らないギョウカイやアイテムでも、いろんな人と話すことで短期間でキャッチアップして、ユーザーのどこに琴線があるのか、キモはなにか捕まえて、その上で構成する。琴線を見つけ優先順位をつける、編集者の果たすべき役割は、WEBでも商品開発でも大切だとおもうのだが、、、あぁもったいない。