ユニクロのカタログその1
日本におけるライフスタイルとは

ユニクロのカタログ。通信販売とクリエイティブということを、試行錯誤しながら、たくさん考えた。考え、つくり、編修し、結果から、また考えるという、編修的な挑戦を許してくれたユニクロはすごい会社だと、いまだに思います。
通販のみだと、表現が売上にどんな影響をあたえたのか、あいまいになってしまう(「商品が悪い!」という言い訳が成り立つ)のだけど、売るチカラのある店舗での実績から商品の偏差値を割り出し、これをベースにカタログでの売上を見ると、写真のこと、色のこと、レイアウトのこと、いろんなことに気づく。写真の撮り方、物撮りの置き方、配置、もちろん台割りも、いろんなアイデアを試し実証できるという、すごい体験でした。

日本におけるライフスタイルとは?

もうひとつずっと考え続けていたこと、それはライフスタイルとは? ということ。このプロジェクトはワイデン&ケネディの佐藤さんからの電話ではじまり、クリエイティブディレクターのジョン・J氏から多くのことを教えていただいたのだが、特に印象的だったのは、アメリカにおける通信販売のクリエイティブ、写真には意図があり、見る人もそれらを読み取っているという確信があること。「どこで、どんな写真を撮るのか」に関して、なんとなくオシャレとかはやりとか、かなり曖昧なまま決まっていくことが多いのだが、そうではなく、商品の価格帯よりも上位なライフスタイルを背景に用いることで、商品をより魅力的に見せるという戦略がきちんとあり、そのために必要なライフスタイルが描けるロケーションを選ぶという発想が基本にあるということ。
この手法はいまだに欧米では有効だと思うけど、例えばナンタケットやロング・アイランド(アメリカの富裕層の居場所)の邸宅で撮影すれば、アメリカ人の多くにはちゃんとそれが伝わる。が、同じことを日本でやっても伝わらない。ただおしゃれとか、好きとか嫌いとか言われて終わってしまう。
そこで、さまざまなライフスタイルの人のユニクロ! を伝えるために、いちばんよいのは、その人の職業だと気づいた。アーティストから魚屋さん、先生もいれば学生も、、、と、いちばんシンプルで強いポートレートで

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