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『マーケティング戦争』は戦略テンプレート(型)として使える良本

投稿日:2014/08/18(月) 更新日:

1986年に出た本で、古いんだけど、いまだに使えるいい本だと思う。
使えるというのは、戦略を考えるときにテンプレート(型)が、この本にはサンプルとともに掲載されていて、煮詰まってしまった時に役に立つ、そんな本。

『マーケティングの本質は顧客サービスではなく戦って勝つこと』とか「BOOK」データベースだと『本書は近代ドイツの名将であり戦略家として名高いクラウゼヴィッツの『戦争論』を、世界第一級のマーケティング戦略家が数々の「マーケティング戦争」に重ねて、常勝へ導く「4つの戦略」の奥義を諭す。』なんて、煽っているけど、「戦いだ!」と熱くなっている頭を冷やす本。そもそもクラウゼヴィッツ本ってそうだと思うのだが。

リーダなのか2番手なのかなどポジションによって取るべき戦略が語られる。が、一般論的なポジションに拘らず、自分をリーダだと考えたり、包括されるおおきなマーケットの有象無象のひとつと捉えたりして、テンプレートをさまざまに適応してみて探ったほうがいいみたい。
以下は自分のために型をまとめたもの。

ポジション別の4戦略

マーケットを支配している場合のディフェンシブな戦略

  • ディフェンシブな戦略はカテゴリーリーダだけの特権
  • 自らを攻撃、超えてゆくこと。商品、価格、販路などなど自己改良を続けてキャッチアップさせないこと
  • 競合が動いたら必ず防ぐ。最悪でも同じことをやり返せばリーダなら勝てる。

2番手、3番手がシェアを取りに行くためのオフェンシブな戦略(正面攻撃)

  • マーケットリーダの強さをきちんと把握し、シェアを増やすというより、奪う方策を考える。
  • リーダの弱みを探して、そこを突く。見つからなくても、リーダであること、それ自体が弱みになるような戦略を考える。
  • 一点突破。いろいろやるのはリソースのムダ。

正面突破、直接攻撃できないなら、サイドアタック

  • 直接競合しないエリアや、新しいカテゴリーを創って商品を投入。
    新しいといってもいままでにないものであることはない。
    価格の高低、サイズの大小、売り方(新しい販売チャネル)、Product form(ジェルを液体にとかとか)
  • 驚かすことが大切、サプライズをしかけた優位をうまく活用。
  • 奇襲したらちゃんと橋頭堡を築くべし。

ゲリラ戦略

  • アイデンティティを発揮できる(認められる)場所を見つけてフォーカス
  • 見つけた場所はより大きなカテゴリ、マーケットの一部にすぎない。そこには牢名主がいる
  • ゲリラの強みはアジリティ、牢名主に睨まれたらすぐ逃げる

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京都大学理学部で伊谷先生のとこでサルを見ながら、日高先生に社会というかコミュニケーションを学び、ときどき教育学部に潜り込み河合先生に睨まれるという幸福な学生時代を送り、今はなきUPUに入社、編修を身につける。その後、秋山道男氏のスコブルコンプレックスにて、百貨店や自動車など大きなことから、小さなことまで様々な業種の多種多様なプランニング、クリエーターとの実行を経験し、1992年に仕事場をつくって独立。

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